PTA役員が新年度になると必ず行う行事、それがPTA総会です。
1年生の保護者様にはPTAに良い印象を抱いてもらう最初の機会。
くれぐれも粗相のないように、この記事ではPTA総会の手紙(案内)の例文と、手紙を書く際の間違えがちな注意点を紹介します。
PTAの案内・手紙のテンプレート~PTA総会のお知らせ~
平成31年4月12日
PTA会員各位
○○市立 青葉小学校
校長 田中 洋平
PTA会長 桜木涼子
PTA総会のお知らせ
拝啓
春の便りも賑やかな今日この頃、保護者の皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、平成31年度のPTA年始総会を下記の要領で開催いたします。御多忙の折、恐縮ではございますが、ぜひご出席いただけますようお願い申し上げます。
敬具
記
日時:平成31年4月18日(木)午後3時~4時
会場:青葉小学校 体育館
議題
・平成30年度の事業報告と決算報告
・平成31年度の事業計画と予算案審議
・平成31年度 役員承認決議
※.当日は総会資料をお持ちください。
PTA総会に欠席される方は、4月17日(水)までに担任の先生に下記の委任状を必ずご提出ください。
……………………キリトリ……………………
委任状
平成31年4月 日
PTA会長 桜木涼子 殿
私は、平成31年度のPTA年始総会における一切の権限、および議決内容を議長に一任いたします。
児童氏名 (旧) 年 組
保護者氏名
PTA総会のお知らせ~作成する際のポイント~
意外と間違えやすい「平成○○年度」
小学校では年度を、西暦ではなく和暦で表記することがほとんどです。
そのため意外と間違えやすいのが、「年度」表記。
平成○○年度という場合、平成○○年4月1日から平成○○+1年3月31日までを指します。
平成30年度といったら、平成30年4月1日から平成31年3月31日までになります。
(ちなみに平成には32年がないので、次の元号の△△元年3月31日になりますね)
年が明けると年号は1年進んでいるのに、年度は同じまま。
1~3月開催の行事案内を書くときには、特に注意が必要です。
文面はお願いベースで、議題は分かり易く簡潔に
PTA総会の案内は、1年の間でもPTAが保護者宛に書く最初の手紙。
1年生の親御さんからすると、PTAと初めて接点を持つ機会です。
「PTAって、なんか偉そうだな」
初対面でそんな嫌な印象を持たれないように、手紙は特に丁寧な文体で書くことが重要です。
また、議題についても分かり易く書くことが重要。
議題内容をパッと読んでも、何を話し合うのか分からない会議、
あなたなら参加したいと思いますか?
「○○の件」の多用は厳禁!!
議題を分かり易く紹介するうえで、特に気を付けたいのがこれ。
「○○の件」という書き方です。
案内を書く方としては「~の件」と表記しておけば、それに関する事項を全て網羅することになりますから、大変便利な書き方です。
けれど、読まされる側は正反対。
例えば「○○年度 役員の件」なんて書かれていると、「役員解任の件」「役員選任の件」「役員承認の件」・・・
想像が膨らむばかりで、何を話し合うのか分かりません。
結局めんどくさくなって、出席しないという結論になることは想像に難くありません。
PTAの活動内容を理解してもらうためにも、議題内容は出来るだけ簡潔に書きましょう。
委任状は提出期限と提出先をベース
そして、PTA総会の案内のなかでも一番重要なのが委任状。
総会当日の採決の有効性を左右するものですから、総会を欠席される方には必ず提出してもらうようにしましょう。
その際は、提出先と提出期限を明記しておきましょう。
気を付けておきたい委任状のetc
そもそもPTA総会の委任状ってなんのため?
「○○年度 年始PTA総会における一切の権限を、議長に委任いたします」
なんだか堅苦しい言い方で、何を書いてあるのかよく分からない委任状。
(読まされる保護者の方だけでなく、作っているPTA役員さんも実際にはよくわかっていないことがほとんどではないでしょうか?)
そんなPTAの委任状、簡単に言ってしまえば「PTA総会でどんな結論になっても、後から文句はいいません」という言質をとるための書面です。
どうしてこんな書面をあらかじめ提出しないといけないのでしょうか?
これはPTA役員の立場から考えると、よくわかります。
例えば、あなたがPTA役員だった場合、
総会を欠席された保護者さんから「私は総会に欠席したから反対意見を言うチャンスがありませんでした。だから自分は決議に従いません!!」
後から、そんなことを言われても困りますよね?
こうしたトラブルを防止するために、>PTA総会に欠席される方に議決権を放棄し、総会決議に従うことを約束してもらう文書、それが委任状です。
記事にするのは少し憚られるのですが・・・
なかには委任状の提出を避けて役員の就任を回避する方もいらっしゃるようです。
参考までにどうぞ
→PTA役員決め 上手な断り方3選と必ず断れる!?裏ワザ
「PTA会長 殿」の表記は間違い?
委任状でPTA会長を指すときに、ときどき見られる「PTA会長 殿」の表記。
ビジネスマナーとしては間違いです。
(私がPTA役員をしていた時は、こうした間違いを指摘して「PTAはエラそうなくせに簡単なマナーも知らない」と鼻高々なお母様もいらっしゃいました(^_^;))
ビジネスマナーとしては間違いですが、委任状の役割は、①誰が、②どの総会で、③なんの議題について議決権を放棄したか、を明確にすることです。
そうした点からすれば、会長の敬称が間違っていても致命傷ではありません。
特に、PTAの手紙の多くは前年度の役員さんからテンプレートを引き継いで作るもの。
新たに加筆修正する箇所は少しでも減らしておきたいですから、そうした作業効率の観点から、敢えて「PTA会長 殿」という表記にするのもアリでしょう。
ちなみに、一番正しい書き方は「PTA会長 ○○○○ 殿」という書き方。
役職、名前、敬称の順番で書きます。
PTAの委任状は公文書ではありません!!
よく見かけるのが「PTAの委任状は公文書の一種」という勘違い。
公文書とは「公務所または公務員が、その名義をもって権限内において所定の形式に従って作成すべき文書」をいいます(大審院判例 明治45.4.15)。
PTAの委任状にサインするのは公務員ではありませんから、委任状は公文書になりません。
(ちなみに、サインした親御さんのお仕事が市役所職員や警察官であっても関係ありません。あくまで「子供の保護者」という一般私人の立場でサインするのであり、「公務員」の立場でサインするわけではないからです)
委任状が、サインした保護者の意思を公に知らしめる性質があることから「委任状は公文書」という勘違いが広まったのでしょう。
ものの本には、「公的な文書のひとつ」とありました。
「公的な文書」だからといって「公文書」になるわけではありません。
委任状の書き方【例文】
作る側も提出する側も、何かと気を遣う委任状。
上で挙げた他にも、いくつか例文をだしておきますね。
参考にしてみてください。
1.△△の件
2.□□の件
3.◆◆の件
頭語に結語、時候の挨拶・・・意外と難しいPTAの手紙・案内文
私も自分がPTA役員になってから気づいたのですが、PTAから差し出す手紙は何かとお作法がうるさいもの。
なかには重箱の隅をつつくようなクレームを挙げてらっしゃる親御さんもいらっしゃいました(;^_^A
そうしたトラブルに巻き込まれないためにも、そしてPTA役員として気持ちよく過ごすためにも手紙がサラサラと書けるといいですよね。
この記事で伝えきれなかった細かいお作法については、こちらの記事でまとめました。
一年分の時候の挨拶や、差出人、受取人の敬称など、うっかりミスしてしまいがちなポイントも解説しています。
是非、参考にしてみてくださいね。
→PTAの案内・手紙の例文~これひとつで何でも作れるテンプレート~
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