カブトムシの幼虫~6月に出てくるのはなぜ?~

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 カブトムシを幼虫から育てていると、地表に出てきてしまうことがあります。
 普段は地中で生活しているのに、なんで?

 せっかく育てている幼虫ですから、ちゃんと成虫になった姿をみたいですよね。
 この記事では、6月頃にカブトムシの幼虫が地表に出てきてしまう原因と対策についてまとめました。

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幼虫が6月頃に土の上に出てくる理由

 カブトムシの幼虫は、普通は土,マットの下で生活しています。
 それが地上に出てくるのは、何か不都合が生じているから。
 ここでは代表的な例をみていきましょう。

マットが再発酵してガスが発生している

 幼虫飼育に用いる発酵マットですが、使う前に行うガス抜きが上手くできていないと飼育ケースの中で再発酵します。
 すると、ガスが発生し幼虫が苦しくなって地中から出てくることがあります。

 幼虫が出てきやすい6月は、梅雨で湿度も高く、一年の中でも気温が上がってくる時期。
 再発酵が進みやすい時期でもあります。
 飼育ケースの蓋を開けた時に、いつもと違う匂いを感じたら、発酵マットを交換してあげましょう。
 正しいガス抜きのやり方はこちら
 →カブトムシ(成虫)の飼育は土に注意!!~目的別に変えたい床材~

マットが再発酵して熱くなったから

 同じくマットの再発酵が原因の場合です。
 再発酵する際は、ガスだけでなく熱も発生します。
 地中が熱くなりすぎると、幼虫は地面から出てきます。

 飼育ケースの蓋を開けた時に、マットの表面から湯気が出ていたり、
 またフワッと熱を感じら要注意!!
 マットを交換してあげましょう。

マットが糞だらけになっている

 幼虫にとって、発酵マットはエサです。
 食べればそれだけ身体が大きくなります。
 するとさらに大食いに・・・
 幼虫が大きくなればなるほど、マットの交換頻度も上がっていきます。

 マットの表面にコロコロと糞があれば、幼虫がお腹を空かせているのかもしれません。
 この場合もマットを交換してあげましょう。

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マットが乾燥しすぎ、または濡れすぎ

 幼虫は大体5~6月頃にサナギになります。
 サナギになる直前、幼虫は地中に蛹室(ようしつ)と呼ばれる繭型の部屋を作ります。
 蛹室はマットを突き固めて作りますが、このときにマットが乾燥していると、サラサラと崩れてしまい上手く作れません。
 地表に出てきて、そのままサナギになってしまうこともあります。

 かといって、マットの濡らしすぎにも注意が必要です。
 発酵マットは表面が乾いているように見えても、下の方では水が溜まっていることも。
 それに気づかず、霧吹きなどで水をかけると、幼虫のいる下の方はジュクジュクに
 溺れかけた幼虫が地表に出てくることがあります。

飼育ケースが狭すぎる

 幼虫がサナギになる直前に作る蛹室。
 当然ですが、サナギがスッポリと収まるだけの空間が必要です。
 直径は4センチ、高さは8,9センチくらい。
 丁度トイレットペーパーの芯くらいの太さですね。

 飼育ケースが小さすぎる(細すぎる)と「これじゃ蛹室を作れないよ」と、幼虫が地表に出てくることに。
 サナギになる直前ですから4~6月によく起きます。
 我が家でも、幼虫を1000cc未満の容器で育てた時に見かけました。
 飼育ケースの中には2ℓクラスの大きめのものもありますから、不安な方は最初から大きめのものを選びましょう。

 

飼育ケースに幼虫が多すぎる

 サナギになる時期、幼虫同士は蛹室がぶつからないように信号を出すそうです。
 (「音波」や「化学物質」など、専門サイト様でも表現はバラバラですが)
 飼育ケースに幼虫が多すぎる場合、蛹室を作れなかった個体が地表に追いやられることも。

 我が家でも多頭飼育に挑戦したこともありましたが、「10cm四方に1匹以下」の割合で飼っていると、地表に出てくる幼虫はいませんでした。
 蛹室を作る時期ですと、無理にマットを交換すると、すでに作られた蛹室を壊してしまいます。
 追いやられた幼虫だけ単独飼育にしましょう。

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6月くらいに幼虫が地面に出てきたら?対策はこちら

 幼虫が地面に出てきたのが4月以前であれば、対処法は共通

・発酵マットを新しいものに交換
・飼育ケースを大きめのものに交換

 で対処できます。

 一方で、4月~6月は幼虫がサナギになるカブトムシにとって大事な時期。
 とくにさなぎになる直前の蛹前(ようぜん)と呼ばれる時期は要注意です。
 地表でサナギになった場合、そのまま放っておいては行けません。
 成虫になったときにツノが曲がってしまったり、羽化不全と呼ばれ脚や羽が曲がってしまうことがあるからです。
 この場合には、人の手で蛹室を作ってあげる必要があります。

幼虫が地面に出てきたら?~人口蛹室の作り方~

 ここでは、私が実際にやって成功した
 2通りの人口蛹室の作り方を紹介したいと思います。

トイレットペーパーの芯を使う方法

1.発酵マットにトイレットペーパーの芯を突き立てます
2.突き立てた芯の中の発酵マットを、スプーンなどで掬い取り蛹室を作ります
3.キッチンペーパーを折りたたんで水を吸わせ、蛹室の底に敷きます。
4.蛹室にサナギをいれます。サナギは傷つきやすいので軍手などをした手で慎重に。
5.サナギを直立させたら上にキッチンペーペーをかぶせ、発酵マットをかぶせて完了。

園芸用のオアシスを使う方法

 オアシスはフラワーアレンジメントなどで使われる、緑色のスポンジ状の花立て。
 百均の園芸用品コーナーなどで買えます。
 大きさは、レンガくらいのものがいいでしょう。

1.オアシスを湿らせて、ティースプーンで蛹室を掘ります。
直径、深さはサナギが直立できるくらい。
(直径4センチ、深さは10センチ前後が目安です)
蛹室の内側は、スプーンの背で滑らかにしてください。
2.カブトムシのサナギを入れます。
3.最後に湿らせたキッチンペーパーをかぶせて完了です。

 人口蛹室を作る時のポイントは、
・地面に対して垂直にすること
・蛹室の表面を平らにすること
 の2つです。

 サナギから羽化するときは、蛹室の壁に前足をかけて翅を乾かします。
 ちょうどセミの幼虫が木の枝にとまって羽化するときと似ていますね。

 蛹室の表面がごつごつしていると摑まりにくいですし、翅がこすれると傷ついてしまいます。
 サナギになってから羽化するまでは、3週間から1か月くらい。
 その間もデリケートな期間ですから気を付けて飼育してあげましょう。

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カブトムシの幼虫が6月に出てきたら?~まとめ~

 最後にもう一度、カブトムシの幼虫が地表に出てきてしまった場合の対策をまとめておきましょう。

  • 地表に出てきたら、マットは交換、飼育ケースも大きめに
  • 4月~6月に出てきたら要注意、マット交換が蛹室を壊してしまうことも
  • 地表でサナギになったら、人口蛹室を作ってあげましょう

 6月はカブトムシの生涯の中でも、幼虫からサナギになる一番デリケートな時期。
 けれど、これさえ乗り切れば立派な成虫は目の前。
 お子さんと一緒に、感動的な夏の思い出が作れるといいですね。

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