無能にならなければ会社では出世できない。
『東洋経済オンライン』に掲載された衝撃的な事実です。
この記事では、研究結果から導き出された「ピーターの法則」と、それに対する林先生のコメントを紹介します。
「何でこいつが出世してんだ?」
一般社会において「出来る人」が出世できない理由としてよく上げられるのが、”出る杭は打たれる”パターン。
逆に、上司に従順、素直に言うことを聞く、当たり障りのない無能な人ほど出世するというのも、しばしば耳にします。
といっても、全員無能だと会社が成り立たないはず。
優秀な人の中に、時々無能な人が混じっているだけなのでは?とも思われますが・・・
これについては、もう一つ面白い話があります。
世界中の企業は「無能」な管理職だらけ!
「無能」といっても実は2種類。
「そもそも無能」な人とは違う、「かつては本当に優秀だった人が、いつの間にか無能」な管理職になってしまう場合があるというのです。
この研究結果から導き出される法則として、林先生が説明するのが『ピーターの法則』です。
組織における出世の状況は、いってみれば一個々々階段を登っていくイメージ。
例えばセールスマンとして頑張っている人なら、業績を上げると主任のポジションに昇進します。
ここでのポイントは、セールスマンとして要求される「売上を上げる」という能力と、主任として要求される「セールスマンを管理する」という能力は別物だということ。
今までと同じ仕事ぶりでは評価されません。
仮に、主任として要求される能力を兼ね備えていたとしても、次に地区長などのポジションに出世したとき、
それに見合った能力を持っているかは定かでありません。
能力を持っていなければ、次のステップに出世することはできません。
このように、途中から階段を登れなくなるのは、世の中で普遍的にどこでも起きている事実、と林先生は力説します。
有能だから出世して、そのポジションで止まってしまうということは、あるポジションで要求される能力を持ち合わせていない人が、そのポジションに留まってしまうことを意味する、というわけ。
先ほどの研究結果では、「世の中の管理職は、そこから上に行くことが出来ない、そこで能力がないことを露呈した人達の集まり」だと結論付けられているそうです。
無能ばかりが上にいて、なんで組織が成り立つの?
そんなに無能な人ばかりなのに、どうして企業はやっていけるの?
上の研究結果を聞くと、当然湧いてくる疑問です。
これに対する答えは、
「組織は”まだ無能レベルに達していない人たち”によって動いている」という見解です。
さきほどのセールスマンの例でいえば、最終的に役員クラスまで出世できるポテンシャルを持ち合わせている人は、主任や地区長の仕事は余裕をもってこなしています。
そうした、今のステップで要求される仕事をそつなくこなせる人の集まりが組織を動かしているというわけです。
さらに林先生が指摘するのが、「いつの間にか無能」な管理職になってしまった人は、自分の地位を脅かすような有能な部下は昇進させないという事実。
結果として「無能な人ほど出世する」というお話でした。