軟水・硬水を飲み分けて夏太り・熱中症を解消!!~林修の今でしょ!講座 8月21日放送~


 人間の臓器のほとんどは水分
 例えば脳や筋肉に関しては75%,心臓に至っては80%近くが水分です。
 そのため、水分が不足すると、身体のあらゆる部分の機能が低下します。
 脳の神経細胞が水分不足になると、記憶力や判断力の低下に。
 慢性的に水分不足だと、脳に酸素・栄養が行き届かなくなり、認知症に近いような症状が出てきてしまうことも。

 夏血栓や肥満、シミの原因にもつながる水分不足。
 この記事では、番組で放送された医学的に正しい水分の摂り方を紹介します。

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人間が水を一滴も飲まずに生存できる期間は?

 最近よく、人命救助の現場から耳にする言葉が「72時間の壁」。
 人間が飲まず食わずで生き延びられるといわれる時間です。
 
 3日以上水を飲まずにいると、どうなるのでしょう?
 人間が生きるために体内で様々なものを生成すると、老廃物が生まれます。
 これを排出するためには尿や汗が必要ですが、水分が不足すると老廃物を排出できません。
 この結果、尿毒症などが起こり死に至ってしまうことも。
 逆に水さえ飲めれば、3日以上生き延びられる可能性は上昇するそうです。

 日常生活でも水を飲まずにいると、血がドロドロになります。
 この結果、血栓ができ心筋梗塞を引き起こすことも。
 水分が不足しやすい夏場は「夏血栓」と呼ばれる血栓ができやすい季節。
 これを防ぐためにも、水分補給が重要です。

1日に水はどれくらい飲むと良い?

 体重50kgの人が1日に必要な水分量は1.5リットル。
 (食事によって摂取する水分を抜きにした量です)

 自分が1日で摂取しなければいけない水分量(食事で摂取する分を除いて)が分かる計算式がこちらです。
 体重×30ml=1日の最低限必要な水分摂取量
 体重100kgの人なら、100×30ml=3000mlとなります。
 水分不足を防ぐための目安になりそうですね。
 
 ただし、水を飲む量を突然増やすのはNG。
 普段の飲み慣れている量から急激に増やすと胃腸の負担になります。
 毎日少しずつ増やしていくのが理想的です。

 また、水を飲みすぎるのも問題。
 体内には塩分やミネラルが入っていますが、水を飲みすぎるとこれらが薄まってしまいます。
 特に心配なのが塩分が薄まる低ナトリウム血症。
 これが起こると水中毒を引き起こすことも。
 ひどくなると痙攣や呼吸困難も引き起こしてしまいます。

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朝起きた時に飲む、正しい水分量は?

 個人差はありますが、睡眠中に汗などで失われる水分量は500mlくらい。
 朝起きたら水分補給が必要です。
 
 が、いきなり飲むのは身体にとって負担。
 人間が一度に吸収できるのは、コップ1杯程度だからです。
 500ml飲むとしても、2,3時間に分けて飲むのが正解です。

水は一気に飲む?少しずつ飲む?

 口から胃までの距離は50cmくらい。
 口に含んでから、10~20秒で胃に届くので、一気に飲むと胃の負担になります。
 イメージとしては、水を噛むようにして少しずつ飲むのが理想的です。

 (余談ですが、8月1日に放送されたソレダメ!では、正反対の解答になっていました。
 →夏バテの解消は腸から~ソレダメ!8月1日~
 専門家の方々の間でも意見の分かれる問題のようですね)

体内から水分が失われる、意外な原因

 人間が1日で排出している水分量は、2.6リットル。
 このうち、呼気から排出されるのが400ml程度です。
 人間の一日の呼吸回数は、2万回。
 肺や気管など、濡れた器官を通り抜けていくので、これだけの水分が失われてしまうんですね。
 屋内でじっとしているだけでも、水分補給が重要なわけがここにあります。

 人間の身体の約60%は水分。
 これが不足するとどのような不調を来すのでしょう?

 例えば、筋肉が脱水すると、つったり、痙攣の原因となります。
 これは水分不足だと、筋肉がうまく収縮できなくなるため。
 こむら返りも水分不足が原因です。
 慢性的な水分不足は筋力低下の原因にもなります。

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ミネラルウォーターの軟水と硬水の違いは?

 簡単にいえばミネラルの含有量の違い。
 さらに厳密にいうと、カルシウムとマグネシウムの含有量の差で、硬水と軟水が別れています。

 カルシウムやマグネシウムの含有量が少ないのが軟水。
 国産のミネラルウォーターや、日本の水道水のほとんどがこちらです。

 一方で、カルシウム,マグネシウムが多いのが硬水。
 海外のミネラルウォーターの多くがこちらです。

 日本で軟水が多いのは、石灰岩の地層が少なく、また地中での水の滞留時間も短いため。
 土壌や地形の関係から、ミネラル分が水に溶けだしにくい環境にあるんですね。

体調に合わせた、軟水・硬水の飲み分け

 夏太り対策にベターなのは硬水。
 硬水に含まれる、カルシウム・マグネシウムがその秘密。
 
 カルシウムは胆汁の働きを弱め、腸内での脂肪の吸収を抑えてくれます。
 また、マグネシウムは腸を刺激することで便通を良くしてくれます。

 硬水を飲むタイミングは、食前と食中。
 特に、カルシウム・マグネシウムが豊富な硬水を目覚めの一杯として飲むと、
 胃や腸を刺激してくれるので食事の消化・吸収が良くなることが期待できます。

熱中症対策に良いのは、軟水?硬水?

 熱中症対策に理想的なのは軟水。
 硬水はミネラルが多い反面、水の吸収の妨げになる場合もあるからです。

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水道水とミネラルウォーターの違い

 水道水とミネラルウォーターの大きな違いの一つが、塩素の有無。
 水道水は安全基準が非常に高いため、殺菌・除菌のために塩素を使用します。
 一方のミネラルウォーターは、ろ過・沈殿・加熱殺菌などで、殺菌・除菌処理をしています。

 日本の水道水は、厳しい水質基準をクリアしているため、飲んでいて健康被害が生じることはないそうです。
 ただし、ミネラルの含有量が多いミネラルウォーターと、安価な水道水。
 使い分けることが重要です。

炭酸水ってメリットはあるの?

 スーパーなどでよく見かける炭酸水。
 実は、胃腸の消化・吸収を助けてくれる働きが期待できるそうです。

 炭酸が胃や腸を刺激してくれるので、活発に動くようになります。
 また二酸化炭素には胃の血流を良くする働きもあるそうです。

 ただし、刺激性があるので、胃や腸が弱っているときは強炭酸は控えた方が無難です。

夏場の水分補給に良いのは、白湯?冷水?

 夏場の水分補給に良いのは冷水。
 ベストは5~15℃です。

 白湯と比べて、冷たい水は胃腸への刺激があります。
 胃や腸が刺激されると、活発に働き水分の吸収率が上がるため、
 夏場の水分補給には白湯よりも冷水の方が優れています。
 逆に秋から冬場は、身体が冷えすぎないように白湯が理想的です。

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水分補給に理想的なのは、水?緑茶?

 正解は水。
 緑茶にはカフェインが含まれていて利尿作用があるため、水分補給としては水の方が理想的です。

水分補給に良いのは、ほうじ茶?紅茶?

 水分補給にはカフェインが含まれていないものが理想的ですが、ほうじ茶や麦茶は水分補給に適切だそうです。
 紅茶の中には水分を多く含むものがあるので、注意が必要です。

 ちなみにお酒は一時的な水分補給になりますが、長期的にみると身体から水分を排出してしまいます。
 これは、肝臓でアルコールを分解するときに水分が必要なため。
 特にビールは利尿効果が高く、1飲むと1.1出ていく、と言われているそうです。
 ビールを飲む際にも、チェイサーなどで水分補給することが大事です。

歳をとると身体の酢分量が減るのはなぜ?

 人間の身体の60%は水分といわれていますが、歳をとるにつれてこの割合は低下するといわれています。
 その原因のひとつが筋肉量の減少。
 筋肉の75%は水分ですから、筋肉が減ると水分も失われていくわけです。

 ちなみに、子供は体内の70%(生まれたばかりの赤ちゃんに至っては80%)
 成人で60%、お年寄りになると50%に減少するそうです。

 水分量の多い子供ですが、脱水症状になりにくいわけではありません。
 汗を出す汗腺の数は、大人も子供も変わらないため、子供は身体が小さくても汗をかく量が多い傾向にあります。
 そのため、脱水症状を起こしやすいのは子供の方です。
 

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水分補給に良いタイミングは入浴前?入浴後?

 血管に負担をかけない水分補給のタイミングは入浴前。
 そもそも、汗をかくのは入浴中。
 汗をかくと血液が詰まりやすくなるため、入浴前に水分補給しておくのが重要です。

 ほかにも、血管に負担をかけない風呂が炭酸風呂。
 二酸化炭素が皮膚を通して体内に吸収されると血管が拡張され、血流が改善されるからです。
 炭酸風呂の作り方は簡単。
 重曹(大さじ3)、クエン酸(大さじ2)、塩(大さじ1)を混ぜるだけ。
 (バスボムの材料と一緒ですね)
 

医学的に正しい、就寝前の水分補給のタイミングは

 就寝前の水分補給は、就寝30分前が理想的。
 摂取量はコップ1,2杯くらいです。
 水分を飲んでも、すぐには身体が吸収しきれません。
 少し余裕をもって、水分を摂った後に全身に水分を行き渡らせてから寝るのが理想的です。
 
 寝ている間は腎臓の働きも弱まり、尿にもなりにくいそうです。

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