現在、女性の癌による死因の第1が大腸がん。
実は最近話題の乳がんよりも多いんです。
大腸が弱ると免疫力が低下、
風邪や感染症にかかりやすくなります。
焼肉や鍋、さらにはチャーハンなど、日常の食卓にも欠かせないキムチ。
キムチには大腸を老けさせない、ヨーグルトよりも優れた秘密のパワーがありました。
目次
キムチは乳酸菌の宝庫
最近の、女性のがんの死亡率第1位は大腸がん。
男性でも3位です。
これは、日本人の食生活がが、高たんぱくで食物繊維の少ないものを食べるように変化してきたことにも原因があるそうです。
腸の中には、身体にいい乳酸菌、身体によくない悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌が存在。
一番理想的な割合は、2:1:7
善玉菌が減って、悪玉菌が増えると、日和見菌は悪玉菌を味方するような活動を始めてしまいます。
そんな腸内環境の改善にイチオシの食べ物がキムチ。
キムチに含まれる腸内環境の改善に役立つ植物性乳酸菌が豊富に含まれています。
実は、キムチの材料となる生の白菜には、乳酸菌はほとんど含まれていません。
これがキムチになると、一気に増加。
その数、1gにおよそ1億個にもなります。
ヨーグルトより優れてる?キムチの乳酸菌
キムチに含まれる植物性乳酸菌。
同じ量のヨーグルトよりも、豊富に含んでいます。
(キムチ1gで約1億個に対し、ヨーグルトは同量で6千万個)
さらに、乳酸菌が生きて腸に届く率は、動物性のものより植物性の方が有利。
キムチの乳酸菌の方が、ヨーグルトより生きたまま腸に届く確率が高いんです。
動物性乳酸菌は酸に弱く、胃酸や胆汁によって多くが腸の手前で失われてしまうからです。
キムチの乳酸菌をより多く摂るには?キムチの正しい食べ方
乳酸菌が多いのは買ってきてすぐ?賞味期限ギリギリ?
買ってきたキムチを食べる、正しいタイミングが賞味期限ギリギリ。
これは、買ってきた後も賞味期限までは乳酸菌が増え続けるからです。
逆に、賞味期限を過ぎると乳酸菌は減少してしまいます。
キムチを置いておくと酸っぱくなりますが、その正体は増えた乳酸菌が作り出す乳酸だったんです。
一般的にキムチが漬け込まれる期間は2~3日。
薬味を入れて2日程度置いた時に、爆発的に乳酸菌が増えます。
賞味期限は2週間から1か月くらいです。
キムチを食べるのにオススメのタイミングは、朝?夜?
乳酸菌を多く摂るには、夜食べるのがオススメ。
これは、日中は消化管の中にとどまっている時間が短いためです。
キムチには乳酸菌だけでなく、乳酸菌のエサも入っています。
滞在時間が長ければ長いほど乳酸菌が増えるため、
腸管の動きが活発な昼間は効果的にお腹にとどまってくれないというわけです。
キムチに1日にどれくらい食べたらいいの?
乳酸菌による健康効果を期待できる摂取量は、1日50g。
目安としては、小鉢1杯程度です。
これなら無理なく食べられそうですね。
キムチに乳酸菌以外の栄養素ってあるの?
乳酸菌以外に含まれる、身体に嬉しい栄養素が乳酸菌です。
さらに、発酵の過程でビタミンBも豊富に作られます。
ビタミンBは糖質や脂質の代謝に重要な役割を果たす栄養素。
食事と一緒に食べると代謝を促すので、高カロリーなものを食べるときにキムチも一緒に摂ると、消化を助けてくれます。
生きた乳酸菌を摂るには、そのまま食べる?加熱する?
胃酸や胆汁に強い植物性乳酸菌。
よりたくさん摂取するには、そのまま食べるのがオススメです。
これは、乳酸菌が熱に弱いため。
乳酸菌が増殖しやすいのは40℃ですが、60℃だと30分ほどで全滅、100℃になると数秒で全滅してしまいます。
グツグツ煮たててしまうキムチ鍋では、生きた乳酸菌を摂ることはほとんど期待できません。
けれど、キムチ鍋に健康効果がないわけではありません。
加熱することによって生じる「死菌」にも、腸の中で善玉菌のエサとなり乳酸菌を増やす効果があるからです。
また、悪玉菌を吸着して体外に排出する働きもあります。
加熱した料理でも、上手に乳酸菌を取る方法として白澤先生がお勧めするのが「おいキムチ」
といっても、きゅうりのキムチのことではなく、料理が出来上がった段階でキムチを足すという意味です。
加熱したキムチに生きた乳酸菌も加えてあげることで、エサ付きで体の中に乳酸菌が取り込まれるわけです。
キムチ鍋にはキノコをいれよう!!
キムチ鍋に入れたい具材。
それがキノコです。
食物繊維は乳酸菌のエサになりますが、キノコには食物繊維が豊富に含まれているからです。
日本発!!キムチに見つかった新しい乳酸菌
日本の研究機関が世界に先駆けて、キムチに発見した乳酸菌
それが、ラクトバチルス・サケイHS-1です。
この乳酸菌の特徴が、免疫を活性化してくれる働きが強いこと。
その効果は、ビフィズス菌の100倍もあります。
人の身体の免疫細胞の70%は腸に存在します。
腸内環境を調えることで、風邪や感染症に対する抵抗力が強くなります。
さらに、面白いのがラクトバチルス・サケイHS-1の免疫力活性化機能が、死菌になっても変わらないこと。
キムチ鍋などで加熱調理をしたあとでも、健康効果が期待できるんです。
焼肉とキムチの正しい食べ方
焼肉と一緒にキムチを食べる方も多いのではないでしょうか?
そんなときに、胃に良い効果が期待できるのがカクテキ。
大根で作られたキムチです。
その秘密は、大根の辛みの成分。
スルフォラファンと呼ばれる物質で、胃の中のピロリ菌を減らしてくれるため、胃潰瘍や胃がんの予防が期待できます。
また、きゅうりで出来たオイキムチはカリウムが豊富。
こちらは高血圧の人におすすめです。
ほかにも、βカロテンが豊富で強い抗酸化作用を持つ、エゴマを漬け込んだケンニプキムチや、
ビタミンCやミネラルが豊富で、疲労回復に効果が期待できる、レンコンを漬け込んだヨングンキムチもあります。
カロリーが高い焼肉ですが、消化・吸収を助けてくれるキムチを一緒に摂ることは、医学的にも理にかなった食べ方でした。
特に、キムチと一緒に食べるといいのが豚肉。
豚肉に含まれるビタミンB1とキムチのニンニクに含まれるアリシンが結合し、アリチアミンという物質になると、ビタミンB1の吸収率がアップするからです。
サムギョプサルや豚キムチにも、こんな秘密があったんですね。
ちょっと気になるキムチの塩分
身体に良いと言われるキムチですが、漬物なだけに塩分が気になるところ。
ですが、漬物の中でもキムチはかなり塩分量が少ない優等生です。
(100g中、梅干しの塩分量は22.1g,高菜は5.8g,たくあん2.5gに対して、キムチは2.2g)
辛く感じるのは塩分ではなく、薬味に入っている、うまみ成分でした。
ちなみに、キムチの汁には水溶性のビタミンが溶け込んでいるので、こちらも一緒に摂るのがオススメなんだそうです。
キムチと一緒に食べたい食材
カルシウム&たんぱく質の宝庫~チーズ~
キムチの弱点は、カルシウムとたんぱく質が少ないこと。
これを補ってくれるチーズと一緒に食べることで、栄養学的にも様々な病気の予防が期待できます。
また、乳製品は辛みを抑える作用があるので、成長期の子供にもオススメの食べ方です。
食物繊維が豊富~海苔~
キムチの材料、白菜に入っているのは不溶性の食物繊維。
海苔の中に含まれる水溶性食物繊維は、乳酸菌のエサとなり活動が活発になります。
血栓を溶かす~納豆~
納豆に含まれているオリゴ糖。
これが乳酸菌のエサになります。
また、納豆に含まれるナットウキナーゼは心筋梗塞や脳梗塞を防いでくれます。
一方で、キムチに含まれるメチルアリルトリスルフィドも血栓を作りにくくする効果があります。
脳梗塞や心筋梗塞の疑いがある人、また動脈硬化が気になる人には最強の組み合わせです。