筋肉が衰えると、つまづいて転倒したり歩けなくなったり
終いには寝たきりになってしまうことも
番組で調べたところ健康長寿なお年寄りの冷蔵庫に必ずあった食材がカニカマ。
所詮はカニの偽物、栄養がなさそう、赤い着色料が身体に悪そう・・・
そんなマイナスイメージばかりのカニカマが筋肉にいい!?
カニカマの秘密を、近畿大学生物理工学部准教授の谷本道哉 先生のコメントともに紹介します。
目次
ニセモノだからこそ!!カニカマが持つすごいパワー
「言ってもカニのニセモノでしょ」
そんな風に言われがちなカニカマですが、谷本 先生によると、
カニよりもすごい、むしろカニじゃないからこそ持っているすごいパワーがあるそうです。
カニカマはたんぱく質のかたまり
筋力をアップするには、運動するのが理想的。
ですが、運動しなくてもたんぱく質を摂取すると筋力がアップすることもあります。
谷本 先生によると、
65歳以上の女性19人が3ヵ月間、カニカマの原材料のスープを毎日飲み続けたところ、15人の筋肉量が上がったそうです。
カニカマの原材料はスケトウダラ。
かまぼこの材料として使われたり、卵はタラコとしてもおなじみの魚です。
さらに、カニカマの材料となるのが卵白。
これらに調味料を加えて、混ぜ合わせるとカニカマの生地になります。
たんぱく質を含む食材のなかでも、谷本 先生がカニカマをお勧めする理由。
それが、「どこでもすぐに食べられる」ことです。
筋肉をつけるには、運動後30分以内にたんぱく質を摂取するのがポイント。
これは、運動後1~2時間くらいの間に筋肉の合成反応が活発になり、
このタイミングに血中にアミノ酸が流れているのが理想的だからです。
調理せずに、いつでも良質なタンパク質を摂ることができるカニカマは、筋力アップにうってつけの食材でした。
消化率もバツグン!!お腹に優しいカニカマ
筋力維持にはたんぱく質。
けれど、焼肉などは脂が胃もたれの原因になり、歳を重ねると食べるのが大変。
そんな高齢者にとっても、カニカマは消化の良い、理想的なたんぱく源だというのです。
カニカマと同じく、魚のすり身から作られるはんぺん。
消化率は牛肉の13.7%に対して、28.4%と倍以上消化しやすい食べ物です。
食感までカニに似せて作るカニカマ。
製造過程では軟骨や黒皮を取り除くため、1mm以下のメッシュで3回、極限まで裏ごしします。
こうして魚肉を細かく練り合わせることが、消化率アップの秘密でした。
さらに、カニカマの消化を良くする秘密が、生地を繊維状にすること。
1mm以下の厚さに引き延ばした生地を、シュレッダーに通して繊維状にすることで表面積が増加、
体内で胃液に触れる面積が増えるため、さらに消化・吸収が良くなるというわけです。
ダイエットにもおすすめ?
カニカマの原料のスケトウダラは鮮度を保つため、
内臓を取り除き、水にさらしてから運ばれます。
この、水にさらす過程で取り除かれるのが魚の脂肪。
谷本 先生によると、ほぼ無脂肪になるそうです。
そのため、しっかりたんぱく質が摂れて、低カロリー。
ダイエット中の人にはお勧めの食材です。
カニカマのデンプンで筋肉倍増!!
筋肉を作るパワーを倍増してくれる、カニカマの材料。
それがデンプンです。
カニの身の白さと、食感を再現するために使われる材料です。
たんぱく質単独でも、筋肉を作る作用は高まります。
ここに、糖質であるデンプンが加わると合成反応を促すエネルギー源に。
さらに、筋肉の合成を高めるホルモンである、インスリンの分泌も促進してくれます。
たんぱく質と糖質のコンビネーションが筋力アップには効果的。
谷本 先生によれば、合成量が2倍になったという実験結果もあるそうです。
ちなみに、本物のカニの身に含まれる糖質はゼロ。
カニのニセモノであるカニカマだからこそ得られる、美味しいメリットです。
食べる量の目安は、大きいものなら1本、小さいものなら5~6本です。
筋力アップに嬉しいカニカマですが、谷本 先生によれば塩分量が多めなところがデメリットだとか。
カニカマの赤いところは身体に悪い?
いかにも人口着色料を使った色に見えるカニカマの鮮やかな赤。
身体に悪いどころか、むしろ良い素材で出来ていました。
谷本 先生によれば、昔使われていたのは石炭のタールから作られた合成の着色料。
発がん性もあり、身体にも良くない食材でした。
これに代わって現在使われているのは、トマトとパプリカの色素。
トマトの赤い色の正体はリコピン。
ファイトケミカルと言われる、強い抗酸化作用を有する物質で、血管や肌などの老化予防が期待できます。
ちなみに、トマトにはエスクレオサイドAという動脈硬化を予防してくれる成分も豊富です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
→エスクレオサイドAとリコピンで血管若返り~林修の今でしょ!講座 8月21日放送~