毎年、熱中症による救急搬送が激増するのが梅雨明け。
体が暑さに慣れていないため、熱中症患者が急増するそうです。
熱中症は自宅でも発症するのが怖いところ。
「あれ?」と思った時には、頭痛や吐き気を感じたり、
きちんとした治療をしないと、みるみるうちに症状が悪化していきます。
そこで頭痛や吐き気を感じた場合の治療法や予防法
また、夏風邪による熱中症との見分け方を紹介したいと思います。
目次
頭痛、吐き気を感じたら
頭痛を覚えたら?
私もなったことがありますが、ザクザクと脈打つような鋭い痛みが続きます。
そして、この頭痛、実は熱中症による失神(熱失神)よりも深刻な症状なのです(後で詳しく説明しますね)。
熱中症に伴って頭痛を発症した場合は、複数の医療機関のサイトで、病院への受診を勧められています。
(私の場合、スポーツドリンクを飲んで、クーラーの効いた部屋で横になっていたら一晩で治りましたが、かなり危険な症状だったんですね(・・;)
頭痛の原因は、体温上昇と発汗によって、体内の臓器に十分な血液が流れなくなったこと。
病院に行くまでは、安静にしたうえで、水分補給&体を冷やし、また、脳に血液が届きにくい状態になっているので、足を頭より高くすると良いそうです。
また、市販の頭痛薬はNG
熱中症に伴う頭痛の原因は、体温上昇と臓器への血流不足ですから、痛み止めは対症療法にしかなりません。
胃や食道などの臓器がダメージを受けていると、薬品の刺激で嘔吐してしまうことも。
こうなると、ますます水分が失われていくため、かえって症状が悪化します。
病院で処方された場合を除いて、素人判断で頭痛薬を飲むのは控えたほうがいいでしょう。
頭痛を感じた時に困るのが、原因が熱中症かそれ以外か、素人では判断がつきかねること。 一応、夏風邪の場合ならば、頭痛以外にも喉の痛みや鼻水といった症状が現れることもあるので、そちらを判断要素として挙げることができます。
けれど、夏風邪や寝不足などで体が弱っているときに、外気温の変化が止めを刺すこともあります。こうした場合ですと、複合的な要因から頭痛が発生しますから、素人で判断することはできません。
無理せず、病院で受診してください。
吐き気を感じたら?
頭痛と同じく、症状としては中度。
ただし、頭痛よりも深刻な症状です。
自宅で療養する場合、水分は口から補給するしかありませんが、吐き気を感じる場合は嘔吐の原因になることも。
無理に飲んで吐き戻せば、かえって体内の水分を失うことになります。
特に、意識を失った状態で嘔吐すると、吐しゃ物で窒息する恐れもあり危険!!
吐き気を覚えたら、無理せず、すぐに病院に行きましょう。
熱中症による頭痛・吐き気の原因は?
人間は普通に生活しているだけでも、体内から熱を生み出しています(「産熱」といいます)。
こうした「熱=体温」は、汗の蒸発や皮膚表面の血管から放熱され(「熱放散」といいます)、普段は正常値を保っています。
熱中症は、この産熱と熱放散のバランスが崩れた状態です。
熱中症の原因は、高温・多湿の場所で長時間過ごすこと。
周囲が高温ですと体温が空気に逃げません。また湿度が高いと、汗が蒸発せず、やはり体温を下げることができません。
結果として体内に熱がこもります。
暑いところで体温が上昇すると、人体は体表の血管を拡張して皮膚への血液量を増やし、空気中に体温を逃がそうとします。
このとき、血液量は変わらずに人体の一部の血管だけが拡がるわけですから、体内では血液量が不足する器官が出てきます。
特に立ったままの姿勢を維持していると、血液が下半身に集まるので脳への血液量が不足して、熱失神と呼ばれる一過性の失神にることも。失神という深刻にとらえられがちですが、熱中症の重症度(全部で3段階)では一番軽度の部類に属します。
加えて、皮膚表面の血管に血液が集まった状態のまま運動や仕事を継続すると、血液は筋肉に優先的に流れ込みます。
これによって心臓に戻る血液が減少し、心臓の鼓動によって体の各器官に循環する血液量が減少します。
すると、臓器が本来の働きをできなくなって頭痛や吐き気、めまいといった症状が発生します。これらの症状をあわせて従来は熱疲労と呼ばれていました。熱中症の重症度では2番目に重篤な部類に属します。
頭痛は熱中症以外でも発症するので比較的身近ですが、普通に生活して失神する人を見かけることは稀。
素人感覚だと、頭痛よりも失神の方を深刻にとらえてしまいがちですが、頭痛もかなり危険な症状だったんですね。
熱中症による、頭痛・吐き気の予防法は?
頭痛と吐き気の原因は、体温の上昇と水分不足による、脳やその他の臓器への血流の低下。したがって、これらを防止することが、頭痛・吐き気予防になります。
まず、高温の場所にいると、皮膚表面に血液が集中します。
屋内ならエアコンは我慢せずに使い、屋外なら日陰の風通しの良いところで過ごしましょう。
次に、重要なのが水分補給。
成人だと、気温24℃,湿度50パーセントの室内にいるときでも、1時間あたりに100nl程度の水分が失われています。
こまめに水分補給しましょう。
この時に注意したいのは、塩分など電解質の含まれたドリンクを選ぶこと。
真水だけを飲み続けると、血液中の塩分濃度が低下していき、痙攣やこむら返りなどを引き起こします。
自宅にスポーツドリンクなどを常備しておくといいでしょう。
ちなみに、市販のスポーツドリンクの場合、成分表示における「ナトリウム」約400mgが塩分1gに相当します。
熱中症対策のドリンクは自作できます。材料費も500mlあたり約20円とお手頃な値段で作れますから、ぜひ参考にしてみてくださいね。
→熱中症対策の飲み物を手作りしよう!!20円で作れるドリンクと、炎天下でも温くならない冷やし方
熱中症の症状 頭痛や吐き気を感じたら?~まとめ~
最後に、熱中症で頭痛や吐き気を感じた時の、治療法や予防法をもう一度まとめておきますね。
- 頭痛や吐き気の原因は、体温上昇と水分不足による臓器への血流不足が原因。
- 頭痛は実はかなり危険な状態!!吐き気があるときは、迷わず病院へ。
- 治療法も予防法も基本的に同じ。涼しいところで、水分補給を。
- 水分をとるときは、塩分の入ったものを。真水だけだと、痙攣を起こします。
熱中症対策のドリンクは、ご家庭でも作れますから、自宅の冷蔵庫に常備されることをオススメします。
→>熱中症対策の飲み物を手作りしよう!!20円で作れるドリンクと、温くならない冷やし方
また、熱中症は時として自覚症状なく進行するのが怖いところ。
私が以前パート勤めしていた時に、駐車場の警備員さんが教えてくれた対策が
- 朝、お味噌汁を飲むこと
- 顔が真っ赤な人を見つけたら声をかけてあげること
のふたつ。
お味噌汁は塩分補給になります。また顔が赤いということは皮膚の表面に血液が集まった、熱中症の初期症状の疑いがあります。
この記事を書いていて思い出したのですが「炎天下で、屋外で働く人の話はためになるなぁ(*’o’*)」といまさらながら感心しています(笑)
ほかにも、オススメの塩分補給として教えてもらったのがシオタブ。
こちらは一粒当たり、450mgの塩の塊。
500ml程度の水と一緒に飲むことでスポーツドリンクを飲んだのと同じ効果が期待できます。
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これからますます暑くなり、熱中症が怖い季節がやってきます。
室温の管理と、こまめな水分補給を万全にして、暑い夏を無事に乗り切りたいですね。
くれぐれも、むやみな素人判断は禁物です。迷ったら直ちに医療機関で受診してください。