だんだん暖かくなってきて、お出掛けの増えるこの季節。
ですが、過ごし易いのは人間だけではありません。
チャドクガやイラガなどの毛虫被害が増えるのも、毎年この季節。
特に林間学校に参加される、小学生のお子さんをお持ちの親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、毛虫に刺されたときの対処法を紹介します。
また、刺されたのが子供の場合の対処法もまとめたので、参考にしていただけると幸いです。
目次
毛虫に刺されたら?まずは応急対処!!
毛虫にも種類がありますが、普段生活していて刺されるのは、ドクガ,イラガ,マツガレハのいずれか。
それぞれに特徴がありますが(後ほど詳しく説明します)、毛虫も毒にヒスタミン等の成分を含むなど、共通した特徴をもっています。
そこで、どの毛虫に刺された場合でも有効な対処法を紹介します。
1.肌に刺さった毛をガムテープで抜き取る
毛虫刺されに気づいたら、患部に残っている毛をガムテープで抜き取りましょう。
コツは、赤い斑点が広がっているところより広い範囲にガムテープを貼り付けること。
実際には毛が刺さっているのに、症状が発生していない場合もあるからです。
また、可能であれば服を脱いでから作業を行うのが理想的です。
衣類に付着して毛が刺さった場合、着たままだと体の他の部分にも毛が刺さってしまうからです。
自覚症状がない場合もあるので、背中や肩など目が届きにくい場所は、他の人に見てもらうのがいいでしょう。
2.患部を流水で洗い流す
毛を取り除いたら、次は患部を流水で流してください。
これは毛虫の毒による炎症を抑えるためと、毛についていた病原菌を洗い流して、細菌による感染症を防ぐため。
3.しつこい痒みにはステロイド外用剤を
毛虫に刺されると、しつこい痒みに悩まされますよね。
私も以前チャドクガに刺されたときは、しばらくしてから猛烈な痒みに襲われました。
眠ることも出来ず、病院も閉まっていたので、近所の薬局で薬剤師さんに相談したところ、勧められたのがステロイド系の塗り薬。
かゆみの正体は、毒に含まれるヒスタミンなどの化学物質が原因です。
そのために、抗ヒスタミン,ステロイド系の塗り薬が効果的だそうです。
「ステロイド系の医薬品で過去に副作用が出たことが無ければ、ストロングランクのものを」と言われました。
ストロングランクとは、ステロイド系外用剤の効き目を5段階で表したもののうち、真ん中に位置するもの。
病院での診察なしに買える薬剤の中では、一番効き目が強い薬剤です。
ちなみに、私が刺されたときに勧められたのがこちら
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一晩は痒みが続きましたが、翌朝からは普通に生活することが出来ました。
4.発熱,めまいを感じたときは病院へ
毛虫に一度刺されると、体内で抗体が出来ます。
そのために、二度目以降はアレルギー反応を起こすことも。
個人差がありますが、一般的には1度目よりも2度目、2度目よりも3度目と、
刺される回数が増えたときの方が重篤化する傾向にあるそうです。
私も薬剤師さんから「熱が出たり、気持ち悪くなった時はすぐに病院に行ってください」と言われました
子供が毛虫に刺されたら?基本は大人と一緒
子供が毛虫に刺されたときの対処法も、基本的には大人と一緒です。
ただ、小さいお子さんですとビックリして患部をこすりがち。
擦ってしまうと、余計に毛が深く刺さってしまったり、患部を掻き壊してしまいます。
周りの大人が落ち着いて、ガムテープやピンセットで毛を取り除いてあげてください。
痒みに耐えられずに、患部を掻き壊してジュクジュクしてしまった場合、
爪のばい菌などが入り込んで、細菌性の皮膚炎になることもあります。
早めに病院に連れて行ってあげてください。
ちなみに、毛虫刺されには「毛虫皮膚炎」という病名がついています。
受診するのは皮膚科です。
また、小学生だと気になるのがプール授業
治りかけていて痒みが収まっていれば、プールに入って大丈夫といわれているようです。
一方で、掻き潰して患部が化膿している場合は避けた方が無難でしょう。
毛虫の毛が付着した衣類はどうしたらいいの?
毛虫が付着した衣類も捨てる必要はありません。
洗濯して毛を取り除けば、また着ることができます。
ただし、他の洗濯物と一緒に洗濯してはいけません。
綺麗な洗濯物に毛が移ってしまうことがあるからです。
必ず行いたいのが、50℃以上のお湯をかけること。
ドクガの場合、毒の成分がたんぱく質で熱に弱いので、お湯をかけて無毒化することが出来るからです。
困りものな毛虫の種類
一口に「毛虫」といっても、その種類は様々
ですが、普通に生活していて刺されることがあるのは、ドクガ,イラガ,マツカレハの3種類です。
一つずつ見ていきましょう。
(写真を載せようかとも思いましたが、苦手な方もいらっしゃると思うので割愛しました)
ドクガ
毛虫の体長は40mm程度。
とにかく全身がびっしりと毛でおおわれています。
毛は「毒針毛」(ドクシンモウ)と呼ばれる、微細なもの。
毛虫一匹の毒針毛の数は、50万~600万といわれています。
サクラやツバキ、ウメ,モモ,ツツジ,フジ,サザンカなどに発生します。
一枚の葉に数匹が横並びに蠢いて生息するのが特徴です。
イラガ
体長はドクガよりも小さく、25mm程度。
毛というより、棘が体表に並んでします。
この棘は「毒棘」(ドクキョク)と呼ばれるそうです。
毛虫というより、ナマコやウミウシに近い見た目です。
刺されたときの鋭い痛みから、地方によっては「デンキ虫」とよばれることも。
ウメやサクラ,クリ,カエデ,ヤナギに発生します。
マツカレハ
体長は大きく、70mm程度。
背中側が銀色に近い白、腹側がオレンジなのが特徴です。
ドクガと同じく毒針毛を持っていて、触れると激痛が走って腫れあがります。
その名の通り、アカマツやクロマツ,カラマツなどに発生します。
毛虫皮膚炎にまつわる噂?
毛虫の毒について調べているうちに、毛虫にまつわる噂も見つけたので調べてみました。
毛虫は毛を飛ばして人を攻撃する
私も以前から聞いたことがありましたし、今回記事を書くにあたって様々なサイトを拝見したところ、数多く見かけました。
ただし、「危険を感じるとドクガは毛を飛ばして攻撃してくるよ!!」と書いているサイトは、すべてライフハック系のサイト。
学術的な毛虫の研究成果を発表されているようなサイトや、昆虫図鑑では見かけることはありませんでした。
なので、「毛虫が危険を感じると人に毛を飛ばしてくる」は都市伝説の類の一つじゃないのかな?というのが私の感想です。
ただし、ドクガの体表を覆っている毛が抜けやすいのは事実。
場合によっては、風下に立っていたり、ドクガの発生している木の下を通っただけで、毒針毛にやられてしまうことも。
なので、毛虫に直接触れていなくても被害に遭うことはあるので要注意です。
毛虫皮膚炎は人に伝染る!?
毛虫皮膚炎は、毛虫の毛(毒針毛や毒棘)に直接触れた人だけがなる皮膚炎です。
なので、他人に伝染していくものではありません。
ただし、洗濯物に付着していた「毛」から感染した場合、同時に干していた他の洗濯物にも「毛」が付着している可能性があります。
家族の誰かが衣類から毛虫皮膚炎になったら、同じ時に干していた洗濯物も洗いなおすなどした方がいいでしょう。
毛虫に刺されたら? ~まとめ~
毛虫に刺されたときの対処法
色々書いてきたので、最後にまとめておきましょう。
・どの毛虫に刺されたときも、基本は同じ。ガムテープで患部の「毛」を取り除いて、流水で洗い流す。
・子供の場合は驚いて患部を擦ってしまいがち。大人が落ち着いて対処してあげましょう。
・患部の腫れが引かない間は、プール授業は見学が無難。
・場合によっては重篤化することも。熱やめまいを感じたら、すぐに病院へ。
・「毛」の付着した衣類は、50℃以上のお湯をかけてから洗うと効果的。
暖かくなってきて、外出が増えるこれからの季節。
万が一毛虫に刺されても、きちんと対処してアウトドアライフを満喫できるといいですね。
また、自宅で毛虫被害に遭わないためには、駆除するのが効果的
こちらの記事↓で紹介した、モスピラン溶剤は1000円以下で家中の庭木に散布できます(我が家でも毎年使っています)。
小さいお子さんのいらっしゃる御家庭などは、是非参考にしてみてくださいね。
→毛虫駆除の殺虫剤にはモスピランがオススメ!! 散布時期と方法について